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宮大工として神社仏閣の設計・施工(新築・増改築・解体修理)、御神輿・山車の新規製作・修理をしています。近況報告や現場の状況などをご案内いたします。


by syajikomusyo
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光明寺 倶会堂

大田区の光明寺境内に建てた「倶会堂」(八角堂)のご紹介。
重層八角堂、初層 斗供出組二軒(居定)、二層斗供二手先二軒扇垂木(居定)

下屋根はさほど難しくはないのですが、上の屋根が八角で扇垂木で居定という設計。
軒周りでやる細工のなかでも、最高級に近い仕様です。 

光明寺 倶会堂_f0072347_1832747.jpg

まずは材木。今回は施主様の希望により、総檜造りとなりました。
最近では、これほど程度のイイ「檜」をそろえるのは、金額はモチロンの事、そもそも丸太がそれほどふんだんにあるわけではないので、総檜で建てる事は少なくなりました。ちなみに、この写真の材木は全体の3分の1です。


光明寺 倶会堂_f0072347_18322526.jpg

この写真は、原寸型板です。大工さんがまず初めにする事は、図面に従い「原寸図」を書く事から始まります。そしてその原寸図を元に、反った部材や曲がった部材の型板を作ります。この原寸図と型板によって、建物のすべての部材を把握する事ができます。


光明寺 倶会堂_f0072347_18325185.jpg

柱のキザミの様子です。今回は柱はすべて丸柱です。製材所で八角に製材してもらい、それを大工が正八角形に削ります。次にサシガネの裏目を使って正16角形にし、カドを落としていくことで、32角形⇒64角形、と言う具合にだんだん削っていき、最後は丸い刃の付いた「丸かんな」で仕上げます。最近では、機械で丸くする業者も少なくないのですが、やはり最後は手仕上げでないと、ツヤが出ないし、ツヤが長持ちしません。何より、触った感じがぜんぜん違います!


光明寺 倶会堂_f0072347_18331946.jpg

今回は、念には念を入れて「仮組」をしました。二層部分の「扇垂木」の納まりを確認しておきたかったので。通常の四角の建物ならば、めったに仮組みはしません。なぜなら、「その必要がない」と考えるからです。それが当社自慢の職人の腕です。


光明寺 倶会堂_f0072347_18334570.jpg

その軒周りの「化粧垂木」です。よく見て頂ければわかると思いますが、みな、曲がっています。「居定垂木」と言って反らしてあります。縦方向に反っていながら、横方向にも反っているので、木口(切り口)はひし形になります


この続きはまた。。。
Commented by CAI at 2006-07-11 22:17 x
はじめまして、こんばんは。
この居定垂木というのは切り出すときにすでに曲がった状態なのですか?
たたいたりして曲げているわけではないのですよね。宮大工の技というのはそそられます。次回更新を期待しております。
Commented by syajikomusyo at 2007-01-20 13:58
CAIさま
コメントありがとうございます
気が付いたのが今頃になってしまいました
申し訳ありません。

「居定垂木」についてですが、曲がった木を使うというよりは、
大きな板を曲がった形に切り抜いて
カンナでけずって曲がった形を作り出します。
イメージとしては、クッキーを作るときの、
生地から切り抜く感じでしょうか。
手間も、材料も余計にかかる仕事ですよね。
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by syajikomusyo | 2006-02-21 19:03 | 寺院 | Comments(2)